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世界が注目する再生医療の最前線(「情熱大陸」より)

健康


2020年2月2日に放送された「情熱大陸」で、心臓疾患の再生医療に携わる医師が紹介されていました。




いま、先端医療の世界では、目覚ましいスピードで新たな治療方法が生み出されている。




様々な医療分野の中でも、特に症状の重いのが心臓病だ。




心臓病の患者は、ほとんどの場合、心不全で亡くなる。




長らく、心不全は根本的に心臓移植、もしくは人工心臓でしか治せない疾患だった。




そんな心臓病の分野で、画期的な治療法に挑戦してきた一人の心臓血管外科医がいる。




澤芳樹、64歳。




彼は、心臓そのものの力で心臓機能を回復させる世界初の治療法に挑んでいる。




大阪大学で教授を務める澤は、2007年に重症心不全の患者に患者自身の筋肉から培養した世界初の心筋細胞シートの手術を行った。




これは、サイトカインという細胞の増殖など多様な細胞応答を引き起こすタンパク質が多く含まれる太ももの筋肉から細胞シートをつくり、心臓に直接貼り付け、弱った心筋を元気にするという再生医療。




2016年保険適用となり、心不全治療に役立つ治療法の1つとなった。




さらに去年は、より普及しやすい治療法として、心筋細胞を直接心臓に噴霧する「細胞スプレー法」の治験を開始。




そして今、心筋細胞シートを進化させたiPS細胞による画期的な治療法の治験を目指している。




番組では、再生医療の新たな世界を切り開く心臓血管外科医・澤芳樹の「心臓病では死なせない」という強い意志を貫き、闘い続ける日々を追った。

情熱大陸より引用




「細胞スプレー法」「心筋細胞シート」を使った手術の様子が紹介されていて、とても興味深かったです。




「細胞スプレー法」は、幹細胞を含む液体と医療用のりをスプレーのように同時に患部に吹きかけます。




すると、幹細胞が新たな毛細血管を形づくり、血流を蘇らせることができるそうです。




映像では、虚血性心筋症(心筋の血管が詰まり、壊死しかけている状態)の患者さんに手術が行われていましたが、心臓にメスを入れることなく手術が終わっていました。




「心筋細胞シート」は、患者さん本人の太ももの筋肉を取り出して作ります。




太ももの骨格筋を形成する細胞は心筋によく似た性質を備えているそうです。




澤教授は、骨格筋細胞にいくつかの薬品を加え、直径5センチほどの心筋細胞シートを開発しました(2007年)。




心臓に貼り付けられたシートからは筋肉を修復するたんぱく質が分泌され、やがて心筋細胞が再生すると本来の心機能が戻ってくるのです。




2008年にはiPS細胞生みの親、山中伸弥教授との共同研究がスタート。




太ももの筋肉ではなく、iPS細胞から心筋細胞シートを作ることを目指して研究が進められました。




iPS細胞は、人間のさまざまな組織や臓器の細胞になりかわり、無限に増殖する性質を秘めています。




そしてついに、iPS細胞に数種類のタンパク質を注入して、心筋細胞に変化させる方法が発見されました。




しかし、iPS細胞は培養の過程でがん化する可能性があります。




そのリスクを取り除き、安全性を保つべくさらなる研究・動物実験が行われました。




その結果、iPS細胞を心筋細胞に変化させる過程で抗がん剤を活用することで安全面の課題をクリアし、2018年5月に厚生労働省から承認されます。(参照:iPS細胞 心臓治療、臨床承認 世界初、筋肉細胞移植 厚労)。




2020年1月には、iPS細胞由来心筋細胞シートを心臓表面に移植する手術が世界で初めて行われました(参照:iPS細胞から作った細胞 心臓に直接貼り付ける世界初の手術)。




このiPS細胞由来の心筋細胞シートを映像で見たのですが、赤い液体の中で自ら動いているのです!




心臓の鼓動と同じようなリズムでピクピクと・・・




何だかSF映画のようで、本当に驚きました。




心臓病の患者さんは、今までは移植を待つか、人工心臓にするかという選択肢しかありませんでしたが、心筋細胞シートによって必要最低限の負担で自分の心臓の機能を取り戻すことができるのですから、とても画期的なことだと思います。




番組の中で澤教授が「心臓病は怖くない、心臓病では死なない、というくらいになったら嬉しい。」とおっしゃっていましたが、いつかそんな時代がやってくるかもしれません。




「情熱大陸」のこの回は、2月9日(日)22:59まで無料見逃し配信中なので、興味のある方はぜひご視聴ください。

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